田楽笛とは故・野村万之丞氏による大田楽での使用する際に考案された笛であり、一噌幸弘氏および笛師 蘭情氏によって開発、製作されました。田楽笛の誕生についての詳細は触れませんが、笛の特徴をいくつかお伝えします。
外観は龍笛や能管に似ていて重厚であり、塗りによる華やかさも感じられます。篠笛にくらべて重く、比較的太くて肉厚のものが多いと思われます。能管や龍笛ベースというよりは、篠笛をベースといった感じであり、篠笛同様に一本調子から十二本調子までそれぞれ唄用と古典調があります。また竹の素材には煤竹が使用されています。
音色につきましては、太く力強い音が特徴的です。大田楽では十本調子唄用が使用されていますが、吹き方によっては能管のような鋭い音が出ますので、太鼓との相性もよいと思います。
太さゆえに笛によっては大甲が出にくい場合があり、息もたくさん必要とします。また、豪快な力強い音を得意としますので、繊細な音は篠笛の方が表現しやすいと思います。
田楽笛に使用されている竹は煤竹、そして芸術的な作りと張りのある音、篠笛にはない魅力が田楽笛にはあります。
ご興味のある方はぜひ一度ご覧ください。
写真は朱色の三管が田楽笛です。
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